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ダンスミュージックフェスとジェンダー 増加する女性アーティスト出演数―独文記事を読む

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フェスにおける女性の活躍が目立つ時代へと突入

 「女性の活躍」は、今世紀の社会における重大テーマの一つと言える。日本でも、女性の社会進出を促進する動きが、近年盛んになっている。音楽業界においても、女性アーティストの活躍機会を増やそうという風潮が現れ始めた。

 「female:pressure」は、ウィーン出身の女性アーティストElectric Indigoによって1998年に設立された、エレクトロニック・ミュージック界隈における、女性とトランスジェンダーXジェンダーのための国際ネットワークである。主な使命は、フェスにおける男女の出演機会均等を実現することだ。2、3年おきに、国際女性デーに「FACTS」という文章を発表しており、2020年3月8日に、第4版となる「FACTS 2020」が「female:pressure」公式webサイト上にて発表された。「FACTS」は、世界各国のダンスミュージックフェス出演者における、性別の割合の調査結果を示したものである。今回は、「FACTS 2017」までの調査結果に加え、2017年から2019年までの調査結果が載せられている。

 「FACTS 2020」によれば、2019年のダンスミュージックフェス出演者における女性アーティストの割合は24.6%であり、2012年の10.9%に比べ大幅に上昇している。2012-2019年間における割合の推移を見ても、右肩上がりである。また、大型のフェスほど女性アーティストの割合が低くなり、ディレクターに女性が含まれているフェスほど割合が高くなる傾向にあるとの結果が出ている。「female:pressure」は、割合をさらに増加させるよう努力していくとしている。

 2018年に『Tomorrowland』のメインステージで、女性DJのCharlotte de Witteがプレイしたことが話題になったが、これに関してはテクノDJがメインステージに出演したということのほうが注目されていた。しかし、「FACTS 2020」を読んだ後では、フェスにおいて女性アーティストの出演機会が増えてきたことの一例という側面で見ることも重要だと思うようになった。

 

元記事

groove.de

「female:pressure」公式サイト

femalepressure.wordpress.com