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『ニコニコネット超会議2020夏×HATSUNE MIKU LIVE - UNTITLED 0 -』感想

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  8月9日より始まった『ニコニコネット超会議2020夏』のオープニングイベントとして、初音ミクのライブが行われた。本記事では個人的感想を述べたいと思う。

ライブの概要

タイトル…『ニコニコネット超会議2020夏×HATSUNE MIKU LIVE - UNTITLED 0 -』
日時…2020年8月9日18時~
配信元…ニコニコ生放送
チケット料金…4800ニコニコポイント(4800円)

 初音ミク史上初の無観客ライブ。元々春の『ニコニコネット超会議』でも行われる予定だったが、緊急事態宣言発令の影響を受け、中止となっていた。今回はそれのリベンジ公演というかたちになる。事前にセトリを発表するという、初音ミクのライブでは珍しい試みがなされた。以下、そのセトリである。

ヒバナ / DECO*27 feat. 初音ミク
ハイパーリアリティショウ / 鬱P feat. 初音ミク
愛の詩 / LamazeP feat. 初音ミク
ローリンガール / wowaka feat. 初音ミク
恋愛裁判 / 40mP feat. 初音ミク
ラムネイドブルーの憧憬 / アオトケイ feat. MEIKO
ドクター=ファンクビート / nyanyannya feat. KAITO
魔法みたいなミュージック! / OSTER project feat. 初音ミク
ラッキー☆オーブ / emon(Tes.) feat. 初音ミク
それがあなたの幸せとしても / Heavenz feat. 巡音ルカ
好き!雪!本気マジック / Mitchie M feat. 初音ミク
アイ / DECO*27 feat. 初音ミク
ロキ / みきとP feat. 鏡音リン鏡音レン
劣等上等 / Giga feat. 鏡音リン鏡音レン
DECORATOR / livetune feat. 初音ミク
グリーンライツ・セレナーデ / Omoi feat. 初音ミク
Hand in Hand / livetune feat. 初音ミク

8年ぶりの生中継 厳しい現場の状況が垣間見えるライブ

 『マジカルミライ』系列の初音ミクのライブが生中継されるのは、実に8年ぶり。2012年の伝説的ライブ『ミクの日大感謝祭』以来となる。これまでのマジカルミライの生中継はTokyo MXなどで行われてきた。久々の生中継を楽しみにしていた人も少なくないのではないだろうか。実際ライブ自体数年ぶり、あるいは初めて見る人には割とオススメできる内容だったとは思う。しかし一方で、毎年欠かさずライブに行く、あるいはBDで見ている人にとっては、あまり新鮮に映らないライブであったことも事実である。日本初披露の楽曲もいくつかあったとはいえ。会場で聴くことができたならば、そういったこともあまり気にならないのかもしれない。今回はPCの前で観覧せざるをえないので、どうしても気になってしまうところである。
 コンセプトからして過去のライブのテーマ曲や定番曲で固める構成なので、そういった印象を抱くのも当然と言える。『Hand in Hand』もド定番と化して聞き飽きた感がある。しかし、この選曲には「コロナ禍を皆で手を取り合って乗り越えよう」というメッセージが含まれているように感じる。今だからこそ外せない曲とも言えるのだ。
 ミクのモーションに関しては、やはり流用が多い。モデルも、ずいぶん古いヤツを出してきた、と思う場面もあった。マジカルミライは基本的にモデルは統一されているのだが、今回は統一されていない。ただ『MIKU EXPO』では、曲ごとにモデルチェンジすることはよくあることではある。
 このライブを見ていて、一番ひしひしと伝わるのは、現場が厳しい状況に置かれていることだ。定番ばかりで固めたのも、練習の時間が取れないバックバンドへの配慮の面もあるだろう。モーションに関しても、新しいモーションを用意するのも難しい事態だったはずだ。初披露曲も含んだセトリでライブを開催できたのは、ある意味で奇跡とも言える。今年のミクのライブはほとんどが延期・中止、あるいは規模縮小を余儀なくされているので、経済的観点から見てもなんとかしてライブを開かなくてはいけないという事情も垣間見える。
 前述の経済的な問題の影響か、チケットの値段設定も高いと感じた。2012年の『ミクの日大感謝祭』は2日間通し券で3000円未満だったのに対し、今回は1回のライブ(1時間20分前後)で4800円と、明らかに価格が上昇している。『大感謝祭』が安すぎたのか、あるいは今回が高いのかは不明である。
 現地参戦できないということを抜きにしても、個人的にはそこまでテンションの上がる内容ではなかったのは事実である。とはいえ、現在の状況を考えれば仕方のない面も多い。コロナが終息しなければクオリティも上がらないのである。