2018年12月7日(金)
今日は予定通りデュシャン展へ向かうため、地下鉄へは行かず上野公園へ。改札を出ると大きなクリスマスツリーが飾ってある。上野だけに、パンダの飾りが多くつけられていた。
上野公園には高校生の団体をちらほら見かけた。東京都美術館は、12月は高校生は無料で展覧会を見ることができる。羨ましい限りである。デュシャン展は東京国立博物館で開催されているのだが、道中東京都美術館の方へ目を向けると、思ったほど列が長くなっていないのが見えたので、予定していなかったがムンク展へ足を延ばすことに。
あの有名な『叫び』が来日しているとのことで、平日とはいえかなり混んでいると思ったのだが、入場にそこまで時間はかからなかった。大学生は1人1300円。会場内は撮影禁止。
『叫び』は、最前列にいる場合は立ち止まって鑑賞することはできない。じっくり鑑賞したいならば遠くから見るしかない。付近はごった返していると思いきや、開館直後に行ったのが幸いしたのか、歩きながらではあるものの落ち着いて見ることができたと思う。『叫び』の実物を見たのはこれが初めてであった。ムンクの作品は強烈な印象を残す色彩に目が向くが、対象を精密に観察して描かれているのがよくわかる。この展覧会では、ムンクの独特なセンスだけでなく、類まれなる技術を持って作品が作り上げられているのを感じ取ることができるだろう。
東京都美術館を後にして、次は本来の目的であるデュシャン展を観覧するために東京国立博物館へ。開館から時間が経っていたためチケットはすんなり買えた。敷地内の樹木の紅葉が素晴らしかった。
デュシャン展はキャンパスメンバー価格で700円。会場内は一部を除き撮影が可能という太っ腹な展覧会である。デュシャンはもともと正統派の絵を描くタイプの作家だったが、次第に絵画も前衛的になり、ついには絵画を捨て、オブジェクトを作るようになる。また、一時期芸術家からプロのチェスプレイヤーに転向しようと考えていたようだ。
後半、というより出口付近には「デュシャンの向こうに日本が見える。」と銘打ったセクションがある。正直無理矢理デュシャンと日本を関連付けようとしているようにしか見えないが、そこは大人の事情というやつだろう。東京国立博物館は日本をテーマにした企画展を催すのが基本だから、デュシャン単体ではマズいとなったのだろう。ただ、展示されているものは一級品であり、見る価値はある。
予定にはなかったムンク展に行ったために、早稲田についたのは12時過ぎ。吉野家はかなり混雑していてもう少し遅かったら座れないところであった。講義までの残り時間も少なかったため、図書館で本を返した後はすぐに教室へ向かった。
ムンク展は来年1月まで開催しているので、別に今日行く必要もなかったのだが、『叫び』をじっくり見れたので、結果的には良かったと思う。